マンダロリアン・アンド・グローグー

*公開中の映画『マンダロリアン・アンド・グローグー』のネタバレがあります。

おもしろかった。
劇伴の良さ、テンポ重視の編集も相まって、楽しい長尺のミュージック・ビデオのようだ。
良い意味で、「ドラマの劇場版」という重みがない。
映画なのに「仕事します!火の粉は払います!おれたちマンドーとグローグーです!ずっと一緒です!」以外、なにも言ってない。

そんなのはドラマシリーズを観てれば当然知ってるから、わざわざ言い直していただかなくても大丈夫。だと思うでしょう。

俺たちは何度でもそれが見たいから、何度でも言っていただいていいんですよ。

そして初めて観るみんなたち。
いいでしょう、このコンビ。ようこそスター・ウォーズへ。

これまでの作品群からうまいこと切り離されているので、いきなり本作を観ても大丈夫なのが実はすごいポイントだ。
スター・ウォーズシリーズは本編が9作あるが、一本も観なくていい。
ドラマ『マンダロリアン』は3シーズンある。観なくていい。映画の冒頭5分でざっと説明してくれるから。
初見の人が『マンダロリアン・アンド・グローグー』を楽しめるよう、緻密に考えられていると感じた。

もちろん、ファンにとって嬉しいポイントはたくさんある。200個あった。

・ゼブが実写で活躍(泣)
・ぷくぷくちゃんがムキムキちゃんに成長
・今、デイブ・フィローニいた?
・布外したスノートルーパー、ラルフ・マクォーリーのコンセプトアートみたい
・レイザークレストでN-1みたいなドッグファイト
・傭兵ドロイドの嬉しいデザイン、巨ドロイドのフィル・ティペット的動き
・デジャリックだ!!!
・スクリーンタイムが多いアンゼラ人
・渾身の「ダンク・ファリック」
・今、マーティン・スコセッシいた?

まだまだ列挙できるが、これらはほとんど映画の本筋に関係ない。それが素晴らしい。
知ってる人にとっては嬉しく、知らない人にとっては気にならない、そんなバランスのファンサービス。
マーティン・スコセッシが出てようが出てまいが、そんなんどっちでもいいからね。
ともあれ、アトラクション映画に出演してくれてありがとう。チュッ(投げキッス)。『キング・オブ・コメディ』大好きです。

もうひとつ嬉しいのは、ちゃんとシリーズの価値観が前に進んでいることだ。
マンダロリアン(ディン・ジャリン)とグローグーには血縁関係が無いが、彼らは家族だ。
スター・ウォーズ本編は血縁に縛られる話なぶん、血を介さない愛を描く『マンダロリアン』シリーズはもう一歩踏み込んでいる。

また、ルークがベイダーの道を進まなかったように、ロッタ・ザ・ハットがジャバのような人生を拒絶した点も大きい。
ハットという種族は、過去作品において悪のペルソナを与えられがちだったが、パワフルな善性を放つロッタの描写のおかげで「悪い”種族”などいない」と明示される。
ホンマにええことですわ。

最近SNSでも「スター・ウォーズって結局どこから見たらいいんだよ」と論争になっていたくらいなので、『マンダロリアン・アンド・グローグー』のようなドデカい入口が誕生したことに正直驚いている。
ここから入った皆様におかれましては、個人的には『スター・ウォーズ EP4-6』→ドラマ『マンダロリアン』の流れをオススメいたします。
なにかございましたら、お気軽にご連絡くださいませ。
いつかみんなで集まって、マンドーが”掟”をどう認識してるのか推察し合おうな。

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