フォーエバー 全日本テルミンフェス

全日本テルミンフェスにお越しいただいたみなさん、本当にありがとう。
バラエティ豊かすぎる出演者の中から、空中カメラをわざわざ観てくれた人、さらに輪をかけてありがとう。
感謝永遠に。

ここに書くことはあまりない。
僕らはたいしたトラブルもなく、楽しく過ごした。それで基本的に全部だ。
楽しくライブをやって、楽しくライブを観た。
自分たちのライブでも、他の誰かのライブでも、観に来てくれた人たちが笑顔だったのが良かった。

テルミンという謎の電子楽器が、入場規制がかかるほど人々を惹きつけたのも嬉しい。

他に良かったことといえばなんだろうか。
MURABANKU。の土屋くんの目をまっすぐ見て、「『CITY』の挿入歌、本当にステキだったよ……」と言えたことか。
良いと思ったものを作った人に、良いと思ったことを直に伝えられるのは幸せなことだ。
京アニの皆さん。『CITY』の2期では、空中カメラにもお声がけお待ちしています。

代官山UNITの楽屋が落書きだらけだったのも良かった。
でっかく描かれたフシギダネのアゴに「SIMI LAB」と書いてあって笑った。フシギダネってそうなの?

テルミンを操る巨大な宇宙鳥 フェザード・シジュちゃんが饒舌だったのも良かったし、『ジュゴンのラプソディ』で最前列の子供に青いビックリチキンを手渡したら、半笑いで断られたのも良かった。
結局良かったことを書き出せばキリがなさそうだ。この辺にしておこう。
またテルミンの名のもとに集結したい。

全日本テルミンフェスが定番になったら、いつか全世界テルミンフェスも開催されることだろう。
サンパウロあたりのビーチで、大量のテルミンが鳴り響く日が楽しみだ。その時にも出演できると嬉しい限りである。

子供と若者のすべて

カーステレオで流していた『若者のすべて』を、息子が気に入った。
言うまでもなくフジファブリックの名曲だ。僕も好き。

息子は「ギターで弾ければカラオケにわざわざ行く必要がない」ということに最近気づき、あいみょんもGReeeeNもネットでコードを探して弾き歌う生活を送っている。
『若者のすべて』がそこに加わったという訳だ。

『若者のすべて』を作ったフジファブリックの志村さんは亡くなって久しい。
僕が高校生の時にはこの世を去っていた。
ライブを観たことがあるアーティストが亡くなったのは初めてで、当時はそれなりにショックだった。
ステージ上で軽やかにギターを弾いて、笑っていた人が、なんかもういない、らしい。不思議だ。観たライブまるごと全部、夢の話だったような気もしてくる。

志村さんがすでに亡くなっている事を知った息子は、ちょっとビックリしていた。
あいみょんは元気に活動しているし、GReeeeNも全国で誰かの歯を治療してくれている。
が、フジファブリックは活動を休止しているうえ、志村さんは亡くなっている。
わかるわかる。息子がその顔になるの分かる。
僕もQueen大好き!ってなった直後に、父親からフレディ・マーキュリーが死んでることを教えられたとき、たぶんその顔してたと思うよ。

その後、妻から、息子がYouTubeで「フジファブリックの歴史」みたいなショート動画を見ていた、と報告された。
「しむらァ・・・」と見ながらつぶやいていたらしい。面白い。

このまま影響を受けまくった末、「しむらの使っていたテレキャスが使いたい」などと言いだしたらどうしよう。
あれ、確か車くらいの値段するんだよな。

vs 電子ドラム

友達のO君の子供が、ドラムを始めたらしい。

その子は保育園児で、なぜかドラムに興味と情熱がある。
太鼓やカスタネットではない。ドラムセットだ。

親であるO君夫婦は楽器に明るくない。
だから、その子がドラムに夢中な理由はまったく分からないそうだ。
今のところ「保育園で『セッション』を流している」くらいしか可能性がない。

自宅でドラムを練習する手段に悩んでいたので、電子ドラムをオススメした。
O君は楽器に明るくなさすぎて、生ドラムを検討していた。
彼のご近所さんは僕に感謝をするといい。

先日、O君が家に遊びに来た。「買ったよ、電子ドラム!」と言いつつも、表情が曇っている。
「実は、音が出なくて……。ちょっと相談してもいい?」
ヤベ~~。絶対に解決させてほしい。
音が出ないままでは、O君のお子さんの笑顔は目減りし、電子ドラムをオススメした僕の立つ瀬が無くなる。

O君が持参した電子ドラムの説明書をめくって、スピーカーへの出力設定を確認していく。
僕とてインターネットミームと2chのコピペに詳しいだけで、電子機器に強い訳ではない。
それでも頑張って原因を探るのだが、なぜ音が出ないのかはサッパリ分からない。

「念のため、動画も撮ってきたんだよね」と言いながら、O君がスマホの画面を見せてくれた。
映っている電子ドラムのモジュールを観察するものの、おかしな部分は見当たらない。

これはもう、O君の家に行って直接チェックした方がいいかもな…。

そう思い始めた矢先、動画の端に映るスピーカーから、何かがピョコッと飛び出ていることに気が付いた。
電源ケーブルが、コンセントに刺さってないように見える。

「O君。分からないけど、これをコンセントに刺してみると鳴るかもなぁ……」

僕はもう大人なので、「おばあちゃんがやるミスじゃねえか」とも「地方紙の四コマ漫画のオチかい」とも言わないのだ。

刺したら鳴ったらしい。良かった良かった。
子供の笑顔と、自分のプライドが守れた。

ファーゴくん

絶望的に計画性に乏しい人間であるせいか、計画の計画を立てないと、計画を立てられない。

“計画の計画”は、心の準備と言い換えてもいい。
「よし、明日は計画を立てるから、今日は早く寝よう」とかそういう事だ。
いきなり「よし、計画を立てるぞ」とはいかない。無理無理。
なにごとも一回持ち帰らせてほしい。

たとえばミュージックビデオを作る際は、打ち合わせ → 準備 → 撮影 → 編集 とおおまかに工程が進んでいくが、どう考えても計画が重要になる。
ちゃんと計画を立てないと、なにをどこまで作業したか分からなくなりがちだし、うまくいかなかった時にリカバーしづらい。

だから、気持ちをものすごく強く奮い立たせて、エクセルで管理ファイルを作る。
各工程の作業概要と日程、仮の締め切り日などを打ち込んで、プロジェクトを可視化するのだ。

そして、二度と確認しない。
どこにそのファイルを置いたか忘れるからだ。

最近、ようやく『ファーゴ』(1996)を観た。
行き当たりばったりの男が、雑な犯罪計画を立てて、何もかもうまくいかず、最後は情けなく逮捕されていた。

なんか嫌な予感がしてこの歳まで観なかったのだが、理由が分かった気がする。