律儀バウム

PARIS on the City!のドラマー、阿久津がいなくなって、一騒動になった。
顛末はラジオ『小林ファンキ風格のfunfunfunNight!』で聞いてほしい。

事件当日は小林たちが心配して動き回り、結果的に大事には至らなかった。

ちょうどラジオの収録日、元気に働く阿久津に会えた。
ガラス玉のように大きい目をさらに大きく見開いて、「いや、ほんと、誠に申し訳ねえ」と言いながら、小林に治一郎のデッカいバームクーヘンを渡していた。

おお、律儀・・・。

バンドマンが社会的な行動をすると「えらいッッ!」と反射で思ってしまう。
バンドマンに「お礼に一品用意する」などという社会性を期待してはいけないからだ。
ジャイアンが劇場版で優しいと感心してしまうのと同じである。
地上波ではめちゃめちゃなくせに、映画ではのび太を助けるために頑張ったりするので、ギャップで好感度が上がるのだ。

とはいえ、阿久津ってそもそも律儀で正直なヤツだしなあ、などと考えていると、「寒ちゃんにも」と言いながら、もうひとつ治一郎の袋を出してきた。
嘘だろ、小林と同じバームクーヘンじゃないか。

ラジオを聞いていただければ分かるが、今回僕はなんにもしていない。
なんにもしていないどころか、なんにも知らなかった。

美味しいバームクーヘンをいただく資格は無いはずだ。
「俺にも?なんで?」と聞いても、「いやいや、ほんと、ほんとに」と阿久津は言うばかりで、ほんとになんなのかは全然わからなかった。
どういう事なんだ。これって、もはやジャンルは”律儀”で合ってるのか。

それはそれとして、バームクーヘンは好きなので断ることまではしない。
もちろん家族で食べた。
とても分厚いのに、フォークが沈み込むほどしっとりしていて、どんどん食べてしまう。うめー。

帰り際に、「阿久津がひとりにならないよう、皆で見守らないとね。天然記念物、吉祥寺の屋久杉として」と僕が声をかけた。
すると阿久津は、「やく・・・すぎ・・・? やくすぎ、って何?」とつぶやきながら、心底不思議そうな顔をしていた。

治一郎のバームクーヘンを買ってこれる常識があって、なんで屋久杉は知らないんだ。

WAH-WAH NOVELS

文学フリマに出ます。
キャ~~~。
ちゃんと出るの偉いでしょう。もっと褒めてくれてもいいんですよ。

今回は、友達である真暮あたり先生の隣で出展できるのが安心ポイントだ。
君たちが11/8(日)に非常に大事な予定があって、誰一人僕のブースに来られなくても、真暮と天気やハンターハンターの話をしていれば良いからな。
でも、できれば来てよね。

さて、僕はこういうイベントに出展したことがない。
ということは、サークル名というやつを考えなければいけない。
あんまり奇をてらったり、ふざけても得が無さそうなので、ちゃんと考えた。

その名も『WAH-WAH NOVELS』(ワウワウ ノベルス)。

ギターエフェクトの一種で、その名の通り、「ワウワウ」と音が開いたり閉じたりする。
あっちこっちに揺れ動き、読んだあなたに「そうきたか!」と思ってもらえるような、エンタメ小説を目指している。

主には、自作の短編集と、空中カメラのレコード『嘘つきなBaby』+ZINEのセットを販売する予定だ。
どれも僕が書いたものなので、僕が好きな展開しか起こらない小説が生まれた。良いことだ。
このブログにも載っている小説(加筆・修正済み)が数本と、書下ろしで構成されている。

短編集には、『My silly friend』『嘘つきなBaby』『少年ブルー』といったタイトルの小説も収録される。
そう、空中カメラの楽曲から着想を得た作品がいくつかあるのだ。
この場合、竜か田中にいくらかロイヤリティ的なものを払う必要があるのかもしれないが、まあ、わさビーフを数袋与えておけば、ごまかせるだろう。

そのうち、『嘘つきなBaby』と『少年ブルー』は、ZINEにして7インチレコードと一緒に販売予定。
楽曲と一緒にお楽しみください、という意図ではあるのだが、先に言っておくと、歌詞の世界観とはぜんぜん関係ない内容だ。
嘘についての偽童話と、ブルーという子供が主人公の偽ファンタジーが出来上がった。
あまり真面目に考えずに読んでほしい。

こんなに諸々ハッキリ書くと、もはや「やっぱできませんッした~~!ゴメンピ」とは言えないが、こういう風に自分を追い詰めないと『入稿』って出来ないんだな。
なんなんだ、『入稿』。
やることが多すぎるし、入稿を請け負う事業者も多すぎるだろ。
3社くらいにしてくれよ。目移りして作業にならないって。

はーーん。だいぶ後戻りができない。
ぜひ11月8日(日)の文学フリマ東京に足を運んでいただき、完成した書籍を手に取ってほしい。
『WAH WAH NOVELS』を、どうぞご贔屓に。

なにを観てようが映画の話はいつだってしたい1選

友達のTに久々に会えた。10年ぶりだ。
別の友達・Mが『ズートピア2』について議論したい、という強い情熱のもと、我々は渋谷に集った。
夕方に集まって、ほぼ映画の話だけで閉店時間になっていた。

まあ、仕方がない。誰かと映画の話をして、泣いたり笑ったりするのが好きだ。
三度の飯より、ダブルスコアでそれが好きなんだ。

Tが元気そうで安心したけど、映画の話をしすぎて、お互いの近況をスキマを縫って報告するしかなかった。
僕はTがワールドワイドな賞を受賞していたことを初めて知ったし、Tは僕の妻を別の元カノだと思っていた。
人生は面白い。でも、時間がない。いまはひとまず映画だ。
この洒落た居酒屋が閉まる前に、できるだけ映画の話を!

三人も集まると、登場する作品名もバラエティゆたかだ。

『ジェーンになにが起ったか?』や『灼熱の魂』、『カーズ』3部作、『海の上のピアニスト』。
『ザ・フラッシュ』(僕の嫌いな映画)、そして『赤毛のアン』(Mがオススメの名作アニメ)。
『テルマ&ルイーズ』、『ダージリン急行』、『イリュージョニスト』、『リトル・ミス・サンシャイン』。

全員のディズニー映画オールタイムベストが共有され、数時間の間にいくつかの硬い握手が交わされた。
彼らがなにを善く感じて、なにを悪しく感じているのかを知れて嬉しい。
作品を観たときに「ああ、このシーケンスを面白いと言っていたのか」「なるほど、これが嫌だったんだな」と思える。
作品の楽しみ方が増えるのだ。作品の中に、彼らが焼き付き、生きている。

だから、僕が個人的に聞いていて楽しいのは、作品によって本気で感情が動いた話だ。
本数もタイトルも関係ない。心を揺さぶった一本の話が聞きたい。

解散するときに、次回集まるときまでに『赤毛のアン』をすべて観る、とMと約束した。
全50話あるそうだ。なるほど、24時間必要だな。
代わりに、と言うのも変だが、Mは『HUNTER×HUNTER』を全部読むらしい。頑張れ。
ビッグ・ホエール号に乗った後は、正気とは思えないほどの情報量(1ページあたり)が君を襲うだろう。