友達のTに久々に会えた。10年ぶりだ。
別の友達・Mが『ズートピア2』について議論したい、という強い情熱のもと、我々は渋谷に集った。
夕方に集まって、ほぼ映画の話だけで閉店時間になっていた。
まあ、仕方がない。誰かと映画の話をして、泣いたり笑ったりするのが好きだ。
三度の飯より、ダブルスコアでそれが好きなんだ。
Tが元気そうで安心したけど、映画の話をしすぎて、お互いの近況をスキマを縫って報告するしかなかった。
僕はTがワールドワイドな賞を受賞していたことを初めて知ったし、Tは僕の妻を別の元カノだと思っていた。
人生は面白い。でも、時間がない。いまはひとまず映画だ。
この洒落た居酒屋が閉まる前に、できるだけ映画の話を!
三人も集まると、登場する作品名もバラエティゆたかだ。
『ジェーンになにが起ったか?』や『灼熱の魂』、『カーズ』3部作、『海の上のピアニスト』。
『ザ・フラッシュ』(僕の嫌いな映画)、そして『赤毛のアン』(Mがオススメの名作アニメ)。
『テルマ&ルイーズ』、『ダージリン急行』、『イリュージョニスト』、『リトル・ミス・サンシャイン』。
全員のディズニー映画オールタイムベストが共有され、数時間の間にいくつかの硬い握手が交わされた。
彼らがなにを善く感じて、なにを悪しく感じているのかを知れて嬉しい。
作品を観たときに「ああ、このシーケンスを面白いと言っていたのか」「なるほど、これが嫌だったんだな」と思える。
作品の楽しみ方が増えるのだ。作品の中に、彼らが焼き付き、生きている。
だから、僕が個人的に聞いていて楽しいのは、作品によって本気で感情が動いた話だ。
本数もタイトルも関係ない。心を揺さぶった一本の話が聞きたい。
解散するときに、次回集まるときまでに『赤毛のアン』をすべて観る、とMと約束した。
全50話あるそうだ。なるほど、24時間必要だな。
代わりに、と言うのも変だが、Mは『HUNTER×HUNTER』を全部読むらしい。頑張れ。
ビッグ・ホエール号に乗った後は、正気とは思えないほどの情報量(1ページあたり)が君を襲うだろう。


