non-fic
いまのカイジよ、永遠に
みなさん、『カイジ』をご存じでしょうか。
そう、あのギャンブルばっかりする漫画。
鉄骨渡ったり、1玉4000円のパチンコ打ったり、聴力を賭けてカードゲームしたりする、あのカイジ。
実は、最近はギャンブルをやっていない。
いまも連載中だが、びた一文ギャンブルをしていない。
「いいことじゃねえか」と思うかもしれないが、ギャンブル漫画でギャンブルをやらずに、しかも連載は続いているのはハッキリ言って異常事態である。
じゃあなにをやってるかというと、”逃亡”をやっている。
勝っちゃいけない相手とゲームをして、24億円せしめた結果、仲間と一緒に三人で日本全国を逃げ回っているのである。
マジでなぜかは分からないが、ギリギリの死線!スリリングな逃亡劇!という雰囲気はほぼ無い。
常に、奇妙にノンビリした空気が漂っている。
カイジはマリオ、チャンという若者とトリオで行動しているのだが、
「突然いっぱい銀行に振り込んだら、怪しまれるかも…」「じゃあ、金持ちっぽい服買いに行こうぜ!」「ファッションショーしましょうよ!」
とか、
「このお金、敷き詰めたらベッドみたいだな」「…飛び込んじゃおっか!」
とか、とにかく和気あいあいとしていて、”コイツら可愛い~~”とすら思う瞬間が何度もある。カイジなのに。
ストーリーのペース配分もスピーディとは言い難く、
「携帯が必要だな…。手続きのために、保険証を取りに実家に帰らなくちゃな!」という話を何巻もやったりする。
ついこの間まで、負け=死のギャンブルに勤しんでいたというのに、ピンチの天井がやたら低い。
キャンプ場で仲良くなったおじさんコンビの家にお邪魔するだけの話もある。ノリで連泊したせいで、何話も続く。
このエピソードには、福本先生の正気を疑うくらい、しょうもないオチが待っている。みんなにもぜひ読んでほしい。
現在、『カイジ』は休載中だ。
潜伏先として一軒家を借りたのだが、近所のおばあちゃんとトラブルになってしまったところで止まっている。
はやく再開してほしい。僕はいまの『カイジ』が一番好きだ。
命がけの逃亡中で、次々にピンチが訪れるのに、なぜか空気はゆるくて、起きることの大半がしょうもない。唯一無二の漫画だと思う。
もうギャンブルしなくていい。ずっと逃亡しててほしい。
コミュニケーション・クイズ
問題:
同級生の友人・Aと休日に出かけた帰りに、彼の誕生日プレゼントを買いにヨドバシカメラに寄った。
Aは最近イヤホンを失くしたので、プレゼントするならちょうどいいと思ったのだ。
「なぜか彼女ができない」「どうにもできない」というAの愚痴を聞きながら、一緒にイヤホンを選んでもらい、早速手渡してみたところ、怪訝そうな顔をされた。
いったいなぜでしょう?
答え:
「それが欲しかったんじゃないの」と聞くと、「確かにこれが欲しかったが、そこではない」と、Aは不服そうな声を出した。
「誕生日プレゼントを目の前で買うなんてありえない。」
「付き合いが長いのだから、事前にしっかり考えて、サプライズで渡してほしかった。」
「前代未聞、こんなやり方聞いたことがない。」
などと言いだした。
どうやら冗談ではなさそうだ。
ちょっとキモすぎるな、と思ったので、「ちょっとキモすぎるかも」とまっすぐ伝えたところ、しゅんとしてしまった。
人とのコミュニケーションはクイズの連続に似ているが、今後コイツと付き合う人がいるとすれば、正解し続けるのは大変だろうなと思った。