non-fic

広い家にモノが多いと

広い家にモノが多いと、なぜか怖い。

昔、両親が営んでいた店のトイレに続く廊下には、両サイドに商品が床から天井までギッシリ積んであった。
「崩れそうで怖い!」とかの具体的な恐怖ではなく、そこにあったのは正体不明の不気味さだ。

ばあちゃんの家の2階も、行くのが怖かった。
基本的に2階には誰もいないのに、モノはたくさんある。
貸衣装や布団、写真、少し大きい家電などなどが、整理整頓されて、複数の部屋に収納されていた。

なぜ気味悪く感じるのか。僕だけの感覚かもしれない。

その場にいない人間の痕跡を、色濃く感じるから?
整理されていると、モノの隙間に逆に敏感になるから?

全然理屈がわかっていないが、ばあちゃん家の2階に上がるときは、大人になった今もちょっとだけ怖いのだ。

しかし、数日前に、ばあちゃんは亡くなった。
だから、これからモノはどんどん2階から無くなっていくだろう。

綺麗に片付けられて、隙間はなくなり、新築同然になった部屋が残るのだろう。

もったいない。せっかく怖かったのに。

相対的ビックリ人間

人体の構造上、ヒジって舐めることができないらしい。という話をしていたところ、「えっ、僕できるよ。」と言いながら、中村竜が自らのヒジを舐めた。

舌が特別長いわけでもなさそうだ。とにかく器用にヒジを内側に折り畳み、ペロペロ舐めている。

「ビックリ人間だ!」と騒いだら、その場にいた田中が「俺もできるんだよな。」と言いながら、同様にヒジをペロッと舐めた。

なんてことだ。2対1だ。

ということは、ビックリ人間は、俺の方…?

『JAWS』と子供

子供(10歳)と『JAWS』を観て盛り上がっていたら、日付を回ってしまった。22時には寝かすつもりだったのに。

そう、『JAWS』は盛り上がるのだ。
やたらとヤジの飛ばしがいがある。

サメが出てくれば「帰れ!!」「魚を食べてくれ」などと声が上がり、漁師・クイントの奇行には「帰れ!!」「やる前に相談しろ」「こいつ本当に頼りになるのか」などの怒号が飛び交う。

もっともヤジられたのは市長。とても魅力的な男だ。
サメに人が食われまくっていても、頑として海開きをあきらめない。

女性が食べられても、子供が食べられても、地元の漁師が食べられても、なんやかんやビーチを開き続ける。

警察署長の説得が空振りするたびに、息子があぜんとしている様が面白かった。
「アミティ島民のみなさん、こいつをクビにしよう!」と提案していた。

次は『プレデター』を一緒に観ます。