マーダーミステリーというボードゲームのジャンルがある。
ロールプレイしながら殺人事件の謎を解こう、という趣旨のゲームだ。
プレイヤーはそれぞれ与えられた役割の中で、それぞれの勝利条件を目指していく。
もちろん、設定上「犯人」であれば、指摘されずに逃げ切ることが条件だ。
12月31日の年の瀬、僕は友達と一緒にマーダーミステリーに興じていた。
紅白を見ている妻と息子を尻目に、「元アイドルの玉の輿セレブ妻」役として、高めの声で犯行を否認していた。
なんだってのよ。アタシ今関係ないでしょうよ。
アンタこそ昨晩の目撃者いないんだから、キリキリ弁明しなさいよ。
マーダーミステリーは、お互いの証言のウィークポイントを突つき合うゲームなのだ。
明らかにとぼけているヤツ、発言すべてがウソくさいヤツ、そもそも普段から何を考えているか分からないヤツ。
友情にヒビが入るんじゃないかと思うくらいお互い指を指しあいながら、殺人事件の真相ににじり寄っていく。
気がつくと、年が明けていた。
いちおう「あけおめ!ことよろ!」くらいは言った気がするが、「そんなことより、キサマ嘘をついていないか?」という話にすぐ戻る。
解決したのは2時すぎであった。
はあ~~なるほどねえ、悲しい事件だったね、などと言いながら、各々が麻雀の準備を始める。
初夢は大三元をツモる夢だった。幸先がいいんじゃないでしょうか。


