僕が『スパイダーマン3』を観たのは2007年。
スパイダーマン こと ピーター・パーカーにベチョベチョのヘドロみたいなエイリアン(通称・シンビオート)が憑りつき、大トラブルになる映画だ。
シンビオートは宿主を大幅にパワーアップするが、代わりにワイルドな衝動が抑えられなくなる。
スパイダーマンがワイルドになった結果、
・態度がデカくなる
・敵に対して「死んでもいっか」と思うようになる
・服を買ったあと踊る
・元カノに今カノを見せつける
などの奇行に走っていた。
「このままじゃダメだ!」と思ったピーターは、シンビオートとの分離を決意。
どうにかこうにか引っぺがせたものの、シンビオートはスパイダーマンに恨みを持つ男 エディ・ブロックと合体してしまうのであった…。
こういった流れで、スパイダーマンの宿敵【ヴェノム】は誕生する。
コミックスには1980年代に登場した人気キャラだ。
人気キャラクターゆえ、誕生エピソード いわゆる”オリジン”は何度も映像化されている。
上記の実写映画はもちろん、僕が小学生のころに観ていた『スパイダーマン / アニメイテッド・シリーズ』(1995-)や、『スペクタキュラー・スパイダーマン』(2009-)。
近年ではゲーム『Marvel’s Spider-Man 2』(2023)が記憶に新しい。
シンビオートに憑りつかれて、とにかく調子に乗って、反省した後、ヴェノム爆誕。
個人的な見どころは「調子に乗るパート」だが、やっぱり『スパイダーマン3』が圧倒的に面白い。
”前髪を垂らして踊る”が、調子こきのテッペンて。ヤバい、ピーター可愛すぎ。
そして、原点であるコミックスでも、もちろん同じ流れが描かれている… と思っていた時期が、俺にもありました。
先週初めてヴェノム誕生周りのコミックスを読んで、本当にビックリした。
ピーターが、いつまで経っても調子に乗らない!
シンビオートは、宿主の性格を別に変えたりしないらしい。
バカな。暴力性に嫌気が刺さないと、シンビオートを剥がす動機が無いじゃないか!
そう思いながら読み進めていると、「便利なコスチュームだと思ってたら、生物らしい…。キモい…。」というあんまりな理由で分離していた。
ヒドいぜ、ピーター。エイリアンとはいえ心があるんだぞ。
「シンビオートに共生されると性格が変わる」というのは、あまりに見すぎて当然の設定だと思い込んでいた。
なにしろ小学生の頃からの刷り込みだ。20年以上、コミックスもそういうもんだと…。
じゃあ、この設定なに? 誰が言い出したやつ?
調べました。土日を使って。
初出は『スパイダーマン / アニメイテッド・シリーズ』(1995-)のオリジナル設定だった。お前かい。
見どころの作りやすい優秀なアニオリだったためか、その後のメディアミックス作品ではほとんど踏襲されている、という訳だ。
この話、知らん人からしたら何を騒いでいるのか分からないと思うけど、本当に衝撃だったんだよ。
ドラえもんのスネ夫、実はアニメオリジナルキャラでした、と言われるようなものだ。
いや、さすがに過言か? んー、過言でした。
はい。静かにします。