午前3時のプ

前回書いたように、家でも眠れないような人間なのだが、法事で四国に帰省するときは、普段よりも寝不足を覚悟しなければいけない。

泊まるホテルのベッドにも当たりはずれがあるのだ。
ひどい時は、ベッドよりも床のカーペットの方が柔らかかった。

今回の初日の夜は、健康ランドで仮眠を取ることになっていた。
これは厳しい。
「覚悟の準備をしておいてください!」とワザップジョルノの声が脳内で響く。
「健康ランドで寝る」という行為が、どこか裏ワザっぽいせいだろうか。

リクライニングチェアが所せましと並ぶ休憩スペースに到着したのは、夜中の2時近くだった。
かたい手触りの毛布を掴み、チェアに潜り込んで目を閉じるものの、周囲には大量の人間がいて落ち着かない。

この部屋中の人間が、可能な限り静かにしようと努めている。
できるだけ身じろぎせず、呼吸や咳は最小限に。
24時間稼働している自動販売機の駆動音が、巨大なエンジン音に聞こえる。空気を読めよ。

まどろむ事も難しい3時半ごろ、空間に銃声のようなオナラ(ブキューーン!!)が鳴り響いた。
しかも2発。
オナラカウボーイの居所はわからない。どこから鳴ったか分からないくらいデカい音だった。

隣に寝ていた男が、小さな声で「ふざけるなよ・・・」と言っていた。
僕もまったく同じ気持ちだったが、30分後、そいつもガラスが割れた音のような高音のオナラ(プキィン!)を繰り出していた。

 

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