夏休みが始まった。正確には、息子の夏休みが始まった。
大人に夏休みはない。
リリースその他で普通に忙しい。新シングル『嘘つきなBaby』よろしくお願いします。
学期の最終日、息子はニコニコで帰ってきた。
「実は宿題のドリル、ちょっと学校でやってきたから、少なくなったのよね~~ん♪」と言いながら。
みんなで一緒に夏休みの宿題リストを確認してみると、算数ドリルや漢字の書き取り、リコーダーの練習などなど、おなじみのメンツが並んでいる。
そして、やっぱり読書感想文だ。毎年なかなか苦戦している印象がある。
「今回はなにを図書館で借りたの?」と聞くと、「これでござい!」とランドセルからハードカバーを取り出した。
『日本国憲法』だった。
『日本国憲法』とは、日本国憲法が書いてある本である。
日本国憲法が書いてある本???
「か、か、書けんの?これで。」
「いや、中身は見てない。なんか短そうと思って。」
おい、小学生すぎるだろ。
短いもなにも、本当に憲法が書いてあるだけなんだから。
本の中身をぱらぱらとめくった息子の表情は、どんどん硬くなっていった。
「やばいやばい」「ほ、法律だ」などと言いながら焦っている。
突然ピンチに陥った我々は、宿題のルールが書いてあるプリントをもう一度確認した。
どうやら2冊借りて、どちらかの感想文を書けばいいらしい。
ピンチ回避!
「もう一冊を見せて!」と言うと、明らかに息子がうろたえた。
口をすぼませ、「チョォ~~~・・・・」と小さい声を出している。ちょっと白目になっている。
どう考えても様子がおかしい。
とにかくもう一冊を見せてくれ、と促すと、もはやこれまで、とでも言いたげに背中を丸め、こちらを向かずにランドセルからハードカバーを取り出した。
『日本国憲法』だった。
日本国憲法、二冊目。
ピンチ続行!!!!