
自宅のトイレには本が並べてある。
『羊男のクリスマス』『羊たちの沈黙』『電気羊はアンドロイドの夢を見るか?』の3冊だ。
来客があると「あれはなんだ」「羊が好きなのか」と聞かれるが、全然そんなことはない。
『羊男』と『電気羊』をもともと持っていたので、「あと一冊あれば・・・刻子(コーツ)※1 だ!」と思ってブックオフ ※2 にポンしに行っただけだ。
(人生の中で意識せずに手に入れた本は『ツモ』※3 、ブックオフでは誰かが持ってた本を買うので『ポン/チー』※4 とする)
上記の旨を説明すると、麻雀を知らない人はポカンとするだけだが、麻雀好きは「なるほど!」等と言ってくれる。
続けて、麻雀好きは当然麻雀トークを始めるのだが、僕は麻雀をよく知らない。漫画でルールをうっすら知っているだけだ。
だから、今度はこちらがポカンとしたり愛想笑いをする羽目になる。
このようなことを繰り返した結果、僕は町でもっとも不誠実な人間として名を馳せている。
※1 麻雀用語。同じ牌を3つ揃えること。
※2 この世のすべてが売っている店。
※3 麻雀用語。山から自分で引くこと。
※4 麻雀用語。誰かが捨てた牌をもらう行動。