コンタクト応援団

裸眼の俺が必要な用事があるため、コンタクトレンズを作った。

今まで一回もつけたことがない。あんなうっすい物体を眼球に直接、”つける”て。ほとんど目を触ってるのと同じじゃないか。

眼科で検診を受けて、そのまま看護師さんにサンプルのコンタクトレンズの装着方法を教えてもらうのだが、呆れるほど失敗した。

やっぱり目を触るのと何も変わらなかった。自分の指が眼球に触れると、しみて目を閉じてしまう。

「寒川さん、両目とも閉じないでください!」

「がんばって!」

「黒目はまっすぐ、鏡ですよ~。」

なんか、看護師さん増えてないか?

気が付くと3人くらいに応援されていた。こんなに情けないことってあるか。

応援はありがたいけど、一向にうまくいかない。失敗するたびに「「「あ~~惜しい~~」」」などとギャラリーから声があがる。
すまねえ、みんな。 クソ、俺がもっと器用なら…!

結局、看護師さんの一人につけてもらった。検診が進まないから。

「大丈夫、大丈夫。すぐに慣れますよ!」

看護師のみなさんが優しい笑顔で「うん、うん」とうなずく。

クッ…。

な、泣いてねえよ。ちょっと目が染みただけさ。

 

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