空中カメラの映画好き 寒川響が、
旬の映画や旬じゃない映画について熱く語るコラムです。
毎月20日更新!
旬の映画や旬じゃない映画について熱く語るコラムです。
毎月20日更新!
灼熱の魂
2010年(カナダ)
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
主演:ルブナ・アザバル
ある日、カナダで暮らす双子の姉弟ジャンヌ(メリッサ・デゾルモー=プーラン)とシモン(マキシム・ゴーデット)の母親ナワル(ルブナ・アザバル)が永眠する。後日、長年彼女を秘書として雇っていた公証人(レミー・ジラール)により、母の遺言が読み上げられる。その内容は、所在がわからない自分たちの父と兄に手紙を渡してほしいというもので……。
あらすじ引用:映画.com
今思ったんですけど、完璧な傑作に感想書いたりわざわざ解説したりって野暮だと思いませんか。もう見ようよ、みんなで。ウチで鑑賞会やろうよ。
「メチャクチャ凄い。一位。」で感想を終わりたい。内容のネタバレはマジでダメな作品だし、語るべき部分が多すぎて逆に何を言えばいいかわからない・・・。『トワイライト 〜初恋〜』に出てくるジェイコブの髪型の話とかしたい・・・。悪口を言いたい・・・。
ジェイコブ。作中の設定はイケメン狼男。長髪が致命的に似合わない。
ギュルルルッ
ジェイコブ万華鏡も決まったところで、『灼熱の魂』を紹介します。よろしくお願いします。
ドゥニ・ヴィルヌーブ監督の作品は「心にダメージを負わせてくる」というヤベー特徴がありまして、本作ももちろん観客のHPをゴリゴリと削ってきます。割とハードなシーンが多い事も一因ですが、それよりも人間の愛と業が剥き出しになるプロットが、個人的にダメージを受ける原因です。
許したり、執着したり、信じたりする事。すべて愛によるものですが、これらが同時に生む誤解や憎しみが、信じられない程しんどいドラマに発展する訳ですね。しかし業の連鎖を断ち切るのもまた愛しかありませんよ、という皮肉な円環を、美しい映像とストーリー、そして五臓六腑を揺さぶってくるような役者たちの素晴らしい演技で表現したのが『灼熱の魂』です。
現在と過去を行き来するストーリーの展開は複雑で、暗喩も多用されます。宗教的な対立構造やレバノン内戦についての軽い知識も、本作で描かれる親子のストーリーを理解するのに重要になってきます。ほとんどの説明は最低限で、観客の”観る力”みたいなものを信じて作っているのでしょう。
何よりも素晴らしいのは、これ程までに難解かつ重いテーマを扱っておきながら、映画としてのエンターテイメント性が微塵も損なわれていない点です。双子が真相に辿り着くまでの道のりは、ミステリ作品として素晴らしい手順を踏んでいると思います。序盤からのメタフォリカルな伏線も全て回収され、徹頭徹尾無駄なシーンが無かったと気付き、あまりの事に僕は泡を吹いて、膀胱がカラッカラになるまでお漏らしをしながら失神してしまいました。
決して楽しい気分になるタイプの映画ではありませんが、様々な人にオススメしたい、普遍的なテーマを持つ傑作です。ちなみにヴィルヌーブ監督は、現在あの「DUNE」を作っています。ヒャハーーーッッッ!!
いつだったかのブログで『ホドロフスキーのDUNE』に触れましたが、とにかく作るのが難しい、たくさんの映画監督が映像化を挫折してきた作品です。でもドゥニなら・・・?『ブレードランナー2049』で伝説的な作品の続編というプレッシャーをものともせず辣腕ぶりを発揮したドゥニなら・・・?
【そんなことよりライブのお知らせです】
4月20日
(ナカムラハヤトのみ出演)
“WAIKIKI NIGHT” PARIS on the City!シングルリリースパーティ
会場:下北沢CLUB Que
出演:PARIS on the City!/Sunday カミデ to the ナカムラハヤト/DENIMS
4月30日(月・祝)
「This is party!!!」
会場:渋谷O-NEST 開場/開演 17:30 / 18:00
予約3000円 当日3500円(共に+1ドリンク)
出演:ワンダフルボーイズ/THE BOY MEETS GIRLS
オープニングアクト:空中カメラ
DJ:TMI/KOUHEI’king’NOZAKI
5月20日(日)
「シャッターチャンス」
会場:六本木VARIT
開場/開演 18:00 / 18:30
予約2500円 当日2800円(共に+1ドリンク)
出演:空中カメラ/キイチビール&ザ・ホーリーティッツ