空中カメラの映画好き 寒川響が、
旬の映画や旬じゃない映画について熱く語るコラムです。
毎月20日更新!

後日、某所の鳥貴族

寒川 「まさか『ハノーバー高校落書き事件簿』を見てるとはね・・・やるじゃないか・・・」

藤原 「いや、見てますよ。1年くらい前にめちゃめちゃ話題になったじゃないですか」

*藤原麻里菜 ・・・ 面白コンテンツをすごい勢いで作っているクリエイター。Netflixばかり見ているので、Netflixに詳しい。

*寒川響 ・・・ 空中カメラのギター・パーカス担当。Netflixばかり見ているが、本人が思ってるほど詳しくない。

寒川 「全然知らなかった・・・先月見て普通に感動しちゃった」

藤原 「寒川さん、『くすぐり』は見てないんですか?」

寒川 「なにそれ」

藤原 「『くすぐり』知らないんですか!? Netflixで配信されてる『くすぐり』!」

寒川 「なにそれ???」

藤原 「あ〜〜知らないんだ〜〜へえ〜〜〜」

寒川 「ぐっ・・・・ギギッ・・・・」

バッッッ

ズアッ

悔しいライオン、『くや獅子』召喚!!

すみません、あまりに悔しくて『くや獅子』を召喚してしまいました。しっぽも折れちゃっててかわいそう。
このように、場末の鳥貴族では「Netflixでどのような作品を見ているか?」というテーマで相手の知識量とセンスを探り合う、熱くしょうもないバトルが日夜繰り広げられています。
みんなもNetflixを見てバトルに乱入しよう!

くすぐり

2017年(ニュージーランド)
監督:デイビッド・ファリアー
主演:デイビッド・ファリアー

くすぐりに耐える行為が競技として撮られた動画を、人気エンタメ記者のデイビッドが発見する。そこから若い青年を陥れる悪徳事業の存在が明らかになっていく。

あらすじ引用:Netflix

まず念頭に置いておきたいのが、ドキュメンタリーとはいえ本作は映像作品なので、完全な”真実”を描いているとは言えません。制作者が自分の目線で作り上げたものなので、「このシーンは編集で時系列いじってるんじゃないのォ〜〜? 過剰に相手を悪者に仕立て上げるのってどうなん〜〜〜〜?」とか邪推する部分もありました。僕の性格が悪いだけかもしれないな。
とは言え、作品内で暴露されたことは当然犯罪ですし、事実だと思います。
インターネットを使う全ての者に降りかかりうる恐怖がそこにはありました。

“荒らし”とか”炎上”とか、ネットで毎日起こっている、人間の悪意が発露する現象ってあるじゃないですか。各々のコンプレックスを持った人たちが一番簡単にできる、インターネットを使った嫌がらせです。
そんな暇あったら京急線乗って海に行こうよと思いますが、たぶんそういう人たちは海が苦手なのでしょう。
荒らし行為をするからと言って犯罪者思考の激ヤバ人間か、といったらそうでもなく、ほとんどが普通の人です。しかし、コンプレックスの多寡によっては、マジで相手の人生を潰そうと一生懸命になる人も出て来ます。
でもいかんせん普通の人なので、逆に訴えられたりもするし、大した事はできなかったりもするのです。
でももし、”荒らし”が莫大な金と権力を持ってたら?
そんな奴が自分の歪んだ欲望を満たすことと、誰かの人生を破滅させることに人生をかけて取り組んだら?
『くすぐり』 は、そういった人間に迫るドキュメンタリーです。

映画の焦点は大きく言って二つ。
1、くすぐり動画コンテストの謎の主催者(お金持ちの女性であることくらいしか情報がない)は何者?
2、なんでこんな事してるの? 目的は何?
1についてはほぼ完全に暴かれますし、2については動機は不明瞭なものの、やろうとしていた事は明らかになっていきます。
「男の子たちのくすぐり合いっこ動画、ベストワンを決めるぜよ〜〜〜☆☆☆」という、陽気なオカマが考えたBSの番組みたいな企画の裏に、とんでもなく気持ち悪い悪意が隠されていたことが段々判明していく訳です。
面白そう!と取材を申し込んだ記者が異常な事態に巻き込まれていく様が怖すぎる。
でもって “主催者”のやることは「くすぐり動画収集」と「荒らし行為」なんですが、嫌がらせのためだけにドメインをいくつも取得したり、すぐ起訴してきたり、なのに誰も正体を知らなかったり。
裁判をしてもお金持ちすぎる”主催者”が勝ってしまいます(相手の裁判費用が尽きるまで続けられるから)。荒らしのラスボスじゃんこいつ。
本作のホラーな構成をぜひ体験して欲しいので、これ以上具体的な言及はしませんが、これだけは言っておきます。マジで気色悪いぞ・・・。
もちろんただ気色悪いだけじゃなく、自分を守るためと、他者を守るためにもぜひ見て欲しい一本です。
誰かを傷つけることに鈍感な人間は、自分が傷つけられることには敏感だったりします。
”主催者”は間違いなくそういう人間だと僕は考えていますが、同時に誰しも持っている感覚だとも思います。軽い冗談のつもりだったのに誰かが思わぬダメージを受けていたり、逆に誰かの軽口が意外と自分の心に引っかかったりね。
特にインターネットは誰でもなんでも発言できる場所です。『くすぐり』ほどの極端なことはなかなか起きないでしょうが、悪意を摂取しすぎないように自制したり、怪しいとこには近づかないようにしような、マジで。


寒川 「『くすぐり』面白いな〜」

藤原 「寒川さん、『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』は見てます?」

寒川 「ウッ・・・ヌッッッ・・・・」

〜以下ループ〜

【そんなことよりライブのお知らせです】

10月13日

ワンマンライブ!
『ナイトフライト2000』
前売2500円 / 当日3000円(共に+1ドリンク)
開場/18:00 開演/18:30

来場者特典アリ!

ご予約
通販(手売りチケットにはメンバー直筆の落書き入り!)、フォーム予約e +ぴあローソン
または kuchucamera@gmail.comかTwitterのDMでもご予約受付中!

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